お話しいただいた方
株式会社groove agent
共同創業者 / ブランドマネージャー 佐藤 剛 様
株式会社groove agent
株式会社groove agentは、「大人を自由にする住まい」をコンセプトに、中古住宅のリノベーションサービス「ゼロリノベ」を展開しています。
住宅購入や売却などのライフイベントにおいてすべての人にフラットな目線で向き合う取り組みについて伺いました。
資金計画から始まり、不動産の仲介、リノベーションの設計から工事までをワンストップですべて行っている会社です。
もともと、不動産事業をやろうと創業したわけではありませんでした。「大人が自由になるようなサービスを提供したい」と考えたときに、人生でいちばん大きなお金を使う住宅購入などの場面で余裕を持つことができず、趣味や旅行に使える資金がなくなるなどの不自由を抱えている方が多いと感じたんです。
そういった意味で住宅問題を解決することがまず重要と考えました。すべての面において「自由」であることを基本理念に掲げていますので、お客様に対しても不自由になるような提案は行わないことを徹底しています。
従業員に対しても、自律性を大切にしています。コロナ禍以前からフルリモートワークを導入するなど、ライフスタイルにあった働き方ができ、社員同士も風通しがよく意見を活発に出しやすい環境にあると思います。
LGBTQ+のお客様との出会いをきっかけに、一昨年と昨年、2年連続で「東京レインボープライド」に出展しました。住宅関係の会社が出展することは比較的珍しかったようで、2年とも多くの人に集まっていただきました。弊社のサービスを利用されるお客様のなかにもシングルマザーの方、ハンディキャップを抱える方などさまざまなマイノリティの方がいます。それまでLGBTQ+だけを特別に意識していたわけではありませんでしたが、出展によってLGBTQ+の方の住宅課題の深刻さや当事者の方の切実な思いを再認識するきっかけとなりました。
まず、お客様向けに取り組んでいることとしては、住宅購入やリノベーションにあたって、もちろんプライバシーは守るということがあります。
パートナー関係など個人的なことは打ち合わせの場でのフリートークで開示してくださることも多いので、かしこまった雰囲気ではなくフラットにお話するように心がけています。また、これはLGBTQ+に限らない取り組みなのですが、打ち合わせをしていくなかで担当者に言いづらいことなどが出てくることもあります。そういった場合になんでも相談できる専門の窓口を設けて、第三者的な視点から解決をはかることでコミュニケーションをしやすくしています。
社内向けには外部講師を招いた社員研修を実施したほか、月に一度おこなう全社ミーティングのなかで、LGBTQ+についての取り組みを周知しています。
LGBTQ+の方を初めて対応したときは、まだ知識が浅かったため、とくに住宅ローン契約の際などに理解を示してくれる金融機関を探して交渉するのに苦労することもありました。今はLGBTQ+のお客様も増えてきましたので、提携金融機関にこだわらず、それぞれのお客様に合ったローンを紹介するようにしています。
また、LGBTQ+に限らず社員同士でお客様の事例やノウハウを共有して対応に活かすよう取り組んでいます。
お客様には、「自分たちの欲しい家が実現できました」という声をいただくことが多いですね。もともと家を買うこと自体、かなりハードルの高いことです。それを乗り越えて好きな間取りで自分を映した家を買えて、さらに無理のない予算で旅行や趣味に使えるお金も残せるという点で、ご満足の声をいただいており、私たちとしても嬉しい限りです。
住宅に関して課題を抱えているLGBTQ+当事者の方は多いと思うのですが、どこに相談していいのかわからないというのが現状だと思います。そういった方たちにも「ここに相談すれば安心」と思ってもらえるよう、会社の認知度をもっと上げていくことが大事だと思っています。
「大人を自由に」という理念が従業員にも、どのようなお客様に対しても徹底していて、壁を作らずフラットな発想で一人ひとりの住まいと向き合っている姿勢が伝わってきます。今後も、LGBTQ+当事者の方に寄り添ったサービスを提供されることでしょう。
東京都では性的マイノリティの方々が働きやすい職場の環境づくり等の取組
を支援するため、事業者の方へ向けた支援を御用意しております