お話しいただいた方
株式会社オリエントコーポレーション
人事・総務グループ キャリアデザイン推進部長
栢野 勇一郎様(写真左)
人事・総務グループ キャリアデザイン推進部
インクルージョン&ダイバーシティ推進室長
岩瀬 香織様(写真中央左)
人事・総務グループ キャリアデザイン推進部
インクルージョン&ダイバーシティ推進室 部長代理
関口 裕美様(写真右)
法人ソリューション部門 法人ソリューション企画部
商品企画チーム 課長代理
村上 実侑様(写真中央右)
株式会社オリエントコーポレーション
信販業界大手のオリエントコーポレーションは、誰もが自分らしく働ける環境をめざして、LGBTQ+に関する取り組みを積極的に進めています。PRIDE指標においては2018年からゴールドを取得し続けています。本記事ではオリエントコーポレーションがLGBTQ+に関する取り組みを始めたきっかけやその具体的な活動について伺いました。
オリエントコーポレーションは、クレジットカードやローンをはじめ、決済・信用・保証など多様な金融サービスを提供する信販会社です。個人のお客さまには安心で便利な暮らしを、法人のお客さまにはビジネス成長を支えるソリューションを通じて、幅広い金融ニーズに応えています。
D&Iにおいては、オリエントコーポレーションでは「インクルージョン」を先に掲げ「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」として推進しています。多様性を活かすためには、まず一人ひとりが安心して自分らしくいられる“インクルーシブな土壌”が不可欠であるという考え方に基づいています。社員が互いに認め合い、安心して意見を交し合い、多様性を力に変えていける職場環境、心理的安全性のあるインクルーシブな企業風土の浸透が、I&D推進の出発点であると考えています。
2014年に立ち上がった女性活躍推進チームの活動を拡大し、2016年にダイバーシティ推進室が設立されました。現在はインクルージョン&ダイバーシティ推進室に名称を変更し、“インクルージョンが未来を創る”という認識のもと、LGBTQ+に関しても全社員が理解を深め、正しい知識を持つことが重要であると考えています。性的指向・性自認などを理由とした差別や偏見をすることなく、あらゆる違いを尊重し、誰もが輝ける組織をめざして、LGBTフレンドリーの取り組みを開始しました。
LGBTQ+に関するトップ層向けの研修や、ハンドブックの発行、ALLY(アライ)ステッカーの配布等を行っています。他にも社内相談窓口の導入、だれでもトイレの設置、希望する通称名の使用を認める取り組み、健康診断を自認する性で受診できるようにする等、多岐にわたる施策を展開し、職場環境の整備を行っています。また、Tokyo Prideのプライドパレードへの参加やWork with Prideへの参画を通じて浸透を図っています。
社内制度では事実婚やパートナーに対して福利厚生を適用する制度が整っています。また、ALLYを中心としたERGを立ち上げ、社内コミュニケーションサイト「&Orico」にてLGBTQ+に関する情報を発信するなど地道な取り組みを継続しています。お客様に対する取り組みではオリコカードの家族カードを発行する際に、同性パートナーも対象としています。
ERGの設立については、もともと有志のクラブ活動がありました。そのクラブ活動を再編成し、ERGとして全社的な活動へ拡大しました。ただ、最初はなかなかメンバーが集まりませんでした。
社内コミュニケーションサイトで活動報告(Tokyo Prideでのパレード参加)や、LGBTQ+に関する理解促進の投稿を続けるうちに、多岐にわたる部門から参加したいというメンバーが少しずつ集まりました。
社内コミュニケーションサイトでは、投稿の回を重ねるごとにリアクションが増えていき、社員の関心が増えていることを実感しております。社内におけるALLYを増やす取り組みの一環として、ALLYステッカーの配布を希望する部署が増えてきています。オリコの中にこうした取り組みをしている部署があることを知ってもらうきっかけにつながればと思っています。
オリエントコーポレーションは創業70周年という歴史ある会社ですが、I&Dについての理解は経営層含め全社員が前向きにとらえられていると思います。
ERGのリーダーとして、若い世代やキャリア採用者に向けて、ALLYの姿勢を継続して示し、業界の牽引役となる活動を推進したいと考えています。また、社内コミュニティを活用し、全社的な理解促進にも取り組んでいきたいです。
オリエントコーポレーションでは、東南アジアでもオートローン事業を展開しており、タイやフィリピンにグループ会社があります。これからは海外の支店ともコミュニケーションを取ってLGBTQ+の活動を活性化させたいという話も出ています。
全ての社員がLGBTQ+に対する理解を深め、自分ごととして捉える環境を構築していきたいです。最終的にはLGBTQ+の理解がもっと進み当たり前なこととして、自然体でともに働けるようになれば良いなと思っています。
今後は、経営や人事が一方的に制度の整備や取り組みを進めるのではなく、ERGのメンバーからの要望や提案に応えた取り組みを進めることができればと考えています。LGBTQ+だけではなく、社員一人ひとりが自分らしく活躍できる、活躍を支えられるいい循環が生まれる社内風土づくりをこれからもめざしていきます。
ALLYステッカーの配布やだれでもトイレの設置等、取り組みの多さに感銘を受けました。社内コミュニケーションサイトでの情報発信を通じて、社内全体に理解が広がっていく流れがとても印象的です。こうした積み重ねが、一人ひとりが自分らしく活躍しやすい環境づくりにつながっているのだと感じました。
東京都では性的マイノリティの方々が働きやすい職場の環境づくり等の取組
を支援するため、事業者の方へ向けた支援を御用意しております