TOP 事例紹介 ひとりの気づきが
全社的な取り組みに、
社内の取り組みが
お客様の課題解決に

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お話しいただいた方

株式会社Works Human Intelligence
採用部門 部長(DEI推進プロジェクトリーダー)
北上 真有 様(写真左)

人事部門 HRBP Grp.リーダー(DEI推進プロジェクト担当)
柏原 志保 様(写真右)
マーケティング部門 広報Grp.(従業員コミュニティ運営)
徳元 沙妃 様(写真右中央)

メイン画像
情報通信業

株式会社Works Human Intelligence

株式会社Works Human Intelligenceは、設立当初から"Fair Treatment & Equal Opportunity”というコンセプトで人事制度を設計し、公平な機会提供によって社員の成長を後押ししています。2020年にLGBTQ+の従業員が働きやすい制度の整備、有志によるコミュニティ活動を開始しており、PRIDE指標ゴールドを取得しています。人事ソリューションにおけるリーディングカンパニーとして、LGBTQ+施策に関する取引先企業への情報共有など、LGBTQ+に関する取り組みを積極的に推進しています。具体的にどのような取り組みを行っているのか、お話を伺いました。

経営層へ伝えた意見が契機となり、プロジェクトチームを発足

――  会社の概要について教えてください。

北上

株式会社Works Human Intelligence(以下WHI)は、大手企業や公的機関など様々な業種のお客様に向けて、「COMPANY」という統合人事システムを開発・販売・サポートしている会社になります。
社員の平均年齢は30代前半と比較的若い社員が多いです。設立当初から個性を重視し、多様性を大事にしてきました。ダイバーシティに関して以前行った意識調査においても、属性に関係なく8割から9割の社員が「多様性・公平性・受容性のある環境である」と感じているというポジティブな結果が出ています。評価制度においても上司と部下だけではなく、仕事ぶりを知る仲間がお互いに評価し合う「多面評価」を導入するなど、個人の仕事に対するマインドや、働き方を尊重し合い高めあえるような風土になっています。

――  LGBTフレンドリーについて取り組むきっかけとなったことは何ですか?

徳元

WHIには、経営層に対して社員が直接声を届けることができる「iBox」という目安箱のような制度があります。
そちらに私が、業務を通じて得た気付きから「LGBTQ+が職場で直面する課題に対して会社として何かできることがあるのでは」と投稿したことがきっかけとなりました。
WHIのシステムは約1,200法人に導入いただいていますが、その先には500万人以上の従業員の方がいますので、システムとして何か少しでも課題解決に貢献できることはないかと考えました。
経営陣からはすぐに理解が得られたので、お客様の前にまずは社内制度を整えるところから、プロジェクトチームを立ち上げてPRIDE指標ゴールド取得を目標に取り組んでいくことになりました。

社内制度の整備と理解促進をバランスよく進めていく

――  LGBTフレンドリーについて具体的にどのような取り組みをしていますか?

柏原

最初の取り組みとして2020年の10月に服装ガイドラインの改訂を行いました。以前はスーツ、ジャケット、女性はストッキングにヒール、といったものだったのですが、お客様対応がなければTシャツやポロシャツ、ジーンズも可というように性差のないものに改定しました。それに続くように、同性パートナーへの福利厚生拡大も行っています。同時期には、CEOからトップメッセージとして「個々人がアイデンティティに誇りを持ち、すべての従業員が互いに尊重しあい、安心・安全に就業できる環境作り」に取り組んでいくことを打ち出しました。さらに翌年には性自認を尊重した通称名の使用を可能にし、段階的に制度を整えていきました。
ほかにも健康保険組合と連携して、トランスジェンダーの従業員が安心して受診できる医療機関がひと目でわかるよう、レインボーマークを記載した医療機関リストを案内しています。PRIDE指標2023で紹介されていた企業様の事例に共感し、医療機関への質問票を展開いただきました。
トランスジェンダー当事者の中には、検査項目や更衣室などに関して個別の対応を必要とする方もいます。そういったニーズに柔軟に対応できる医療機関にマークを付けることで、当事者が安心して病院を選択できるようにしています。
従業員の理解促進という面では、2021年にLGBTQ+についての研修コンテンツを作成し、全社向けに毎年eラーニングとして展開しています。今年もプライド月間に合わせて6月に研修と無記名での意識調査を行いました。eラーニングの後に受けてもらうテストや意識調査には自由記述欄を設けており、理解度も含めてさまざまな意見が集まります。その内容を翌年の研修コンテンツに反映しています。

徳元

社内の有志が運営する「UniQorns」という当事者・アライのコミュニティがあるのですが、PRIDE月間の企画として、たとえば今年は社内のチャットツールで毎日LGBTQ+について学べるトピックを発信する「1日1アライ」を行いました。スタンプでの反応等、気軽に参加できる点が好評です。
ほかにも勉強会の実施なども行っていて、コミュニティのチャンネル参加者数は現在160名ほどに増えています。

LGBTQ+施策の時系列表

LGBTQ+施策の時系列表

――   取り組みを実現するうえで、困難なことはありましたか?また、それをどのように克服しましたか?

柏原

取り組みを始めた当初は、どのような受け止められ方をするのか不安がありました。担当になった当時は知識もなかったので、人事部向けのものや弁護士監修のものなど、LGBTQ+に関する書籍を複数読んで勉強したり、公的機関がやっているセミナーに参加したりすることで、確かな知識を積み上げていきました。

――  取り組みの結果、社員の反応はいかがでしたか?

柏原

施策について最初に公開したときの反響は大きかったです。特に、服装ガイドラインの改訂は、ちょうどコロナ禍で在宅勤務がメインの時期だったこともあり、全社員からとても喜ばれました。また、プロジェクトチームを立ち上げたあとに行った意識調査でも当事者の方から「会社がこういった取り組みをしてくれて嬉しい。安心感につながる」といった声をいただきました。制度を使う人数が多い少ないではなく、まずは制度を整えることが大切であると感じました。

社内の施策促進だけでなく、取り組みを伝えていく立場へ

――   LGBTフレンドリーについて今後の課題や展望があれば教えてください。

柏原

まずはWHIの社員が働きやすい環境にするということで、制度を整えてきたのですが、昨今はお客様である大手企業の人事部の方などからも、「LGBTQ+への取り組みについて聞かせてほしい」といった声を多くいただいています。実際に対応に迷われているお客様に対して、人事システムの使い方事例や、WHIの施策を積極的にご説明する情報共有の場を設けています。これからはこのような広めていく方のお手伝いもできればいいですね。
同時に、素晴らしい施策を行われているお客様もいらっしゃると思うので、事例を伺ってWHIの社内制度もバージョンアップしていきたいと思っています。

インタビューを終えて

社員から経営層にスピード感をもって意見が伝えられ、すぐに具体的な取り組みにつながっていったのは社員一人ひとりの自律性を尊重する社風からでしょうか。
参加しやすいアライコミュニティの活動、積極的な全社向け研修の実施や積極的なお客様へのアプローチなど、学ぶべき点が多くあると感じました。

東京都では性的マイノリティの方々が働きやすい職場の環境づくり等の取組
を支援するため、事業者の方へ向けた支援を御用意しております

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