TOP 事例紹介 知ること、
参加することから
応援の輪が広がる。

知ること、
参加することから
応援の輪が広がる。

お話しいただいた方

管理本部本部長 入江友和 様(写真左)

管理本部人事課課長 瀧本祐希 様(写真右)

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サービス業

株式会社AIサポートホールディングス

コンタクトセンター事業を展開するAIサポートホールディングス。『Support for Smart Life』を経営理念として掲げ、誰もが便利で快適な生活を送ることができるIoT社会の実現を目指して、互いに尊重しあう組織風土を醸成しています。社外にもダイバーシティへの取り組みを明確に発信し、性的マイノリティを含め、社員が充分に力を発揮し、活躍できる職場を目指しています。

多様なバックグラウンドを受け入れて成長

――  会社の概要を教えていただけますか?

入江

当社は、2016年に東京・池袋で営業を開始し、現在は徳島県と香川県にも拠点を設置しております。
主な事業としましては、パソコンやスマートフォンの操作方法やネットワーク接続などでお困りのユーザー様に対してテクニカルサポートをしたり、訪日外国人の方に向けて多言語通訳サポートを行うなどの「コンタクトセンター事業」を展開しています。
特徴としては、正社員比率が高いことですね。当社の社員は、電話だけでなくメールやSMS、チャットなどを活用してユーザー様とのタッチポイントを広げながら、品質も高く保つという高度な対応技術を身につけています。これにより、ユーザー様やクライアント企業様に満足いただけるサービスを提供しております。

――  活動に取り組まれたきっかけは?

入江

画像02 通訳業務にも対応していることから、設立当初より専門職として外国籍の従業員を採用するなど、さまざまな経験・バックラウンドをもった人材を受け入れる風土がありました。
当社が性的マイノリティ・フレンドリーに取り組むことになったのは、会社設立から2年が経った2018年頃、今後の事業拡大に人材の採用が大きな課題になると予想され、営業部のリーダーから人材に対する考えが示されたことがきっかけになりました。それは、当社の業務が直接ユーザー様と対面することがほとんどないため、服装や見た目を気にすることなく働きたい性的マイノリティの方や、直接的な対面を気にする方にとって親和性が高い職場なのではないかというものです。

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ライブイベントへの参加で“空気”が変わる

――  具体的にどのようなことに取り組まれたのですか?

入江

性的マイノリティへの気づきをきっかけに、どのような活動ができるのか調べました。「work with Pride」の活動を知り、これに賛同して同団体が掲げる『PRIDE指標』をクリアしたいと思うようになりました。指標を満たすために何をすればいいのか、手探りでしたが、まず私を含め、管理本部のメンバーがセミナーや研修を受講し、ほどなく営業担当者にも研修に参加してもらい、一般社員へと広めていきました。

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瀧本

画像04 例えば、社内に性的マイノリティへの取り組みを広めようと名刺にwork with Pride のロゴを掲載したり、自社でアライ・ステッカーを作成し社員に配布したりしました。その他、休憩室に性的マイノリティ関連の書籍を置き、興味を持った社員がさらに知識を深められるよう、QRコードを用いた外部セミナーの案内を掲示するなど、手軽さも意識しながら取り組んでいます。

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入江

2019年4月に、本社のある豊島区でパートナーシップ制度が開始され、性的マイノリティ関連の相談窓口が開設されたことを社内でアナウンスしました。管理本部でも当事者からの相談を受けますが、会社に悩みを相談したくない人もいると考えられるので、公的な窓口へ誘導しやすくしています。
他にも、2019年に国内最大級のイベント『東京レインボープライド 2019 プライドパレード』への参加を従業員に呼びかけました。7名の従業員が参加意志を示すと、家族や友人に声を掛け、最終的に25名の参加になりました。性別・年齢・国籍を問わずいろんな方が参加されていていい刺激を受けました。これをきっかけに空気感が変わったというか、一気に視野が広がったように思います。

瀧本

また、2020年5月からイントラネットを整え、上のペーパレス申請の内容を変更したり、名前を通称で使えるようにしたり、申請を簡潔にできるようにしました。
さらに社内に対して性的マイノリティへの理解を深める活動を継続化する必要があると考え、『認定NPO法人 虹色ダイバーシティ』のメールマガジンを共有したり、参加したセミナーの議事録や資料にアクセスできる権限を与え、閲覧可能にしています。またアライに向けたハンドブックも現在作成中です。

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業界内の輪を広げて、社会を動かす力へ

――  活動を通してどのような影響がありましたか?

入江

当社は、2018年に『work with Pride』に応募し、以来、ゴールド賞を5年連続(2023年現在)で受賞しています。会議室に認定証を展示しているのですが、来社いただいたお客様から「これ知ってるよ」と言っていただいたり、就職活動で来社いただく学生からも声を掛けていただくことがあります。社会にインパクトを与えるほどではないかもしれませんが、これだけでも一歩前進かなと思いますし、社内の取組が人材確保や企業イメージの向上につながっていると感じることがあります。

瀧本

画像06 2021年度に東京都が主催した『性自認及び性的指向に関する企業研修』に参加しましたが、この研修で得られた情報や知識を基に、新卒社員の入社後研修でケーススタディを用いながら説明しています。すると、「理解が深まった」「故意ではなくても相手を不快にさせてしまうことに気づいた」といった声が寄せられました。効果があったと考えています。

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――  今後の活動など、お聞かせください。

入江

取引先を含め、対外的にアライの活動の輪をどう広げていくかが今後の課題です。現在は親しい取引先様と連携できる活動を模索しています。例えばお互いの従業員を研修させたり、お互いの取引先の方に啓発パンフレットを配布したりすることで活動の輪を広げていこうと考えています。性的マイノリティの方たちの採用強化も、引き続き進めていきます。

インタビューを終えて

性的マイノリティへの活動が広がるほど、新たな課題も生まれます。しかし自社の社員はもちろん、パートナーや同業と手を組み、輪が広がれば、新たな可能性をつくり出せる、そんな手応えを感じるお話しでした。

東京都では性的マイノリティの方々が働きやすい職場の環境づくり等の取組
を支援するため、事業者の方へ向けた支援を御用意しております

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