TOP 事例紹介 社員は「人財」、
誰もが働きやすい職場を創造し、
物流業界のイメージ改革に挑戦

社員は「人財」、
誰もが働きやすい職場を創造し、
物流業界のイメージ改革に挑戦

お話しいただいた方

ダイバーシティ推進部 課長
田嶋 裕美 様

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運輸業・郵便業

シグマロジスティクス株式会社

シグマロジスティクス株式会社が掲げるLGBTQ+支援の取り組みについて、インタビューを行いその実態を掘り下げました。人を大切に思う経営理念のもと、誰もが安心して働ける職場を目指す同社の取り組みにご注目ください。

社員は「人財」、誰もが働きやすい職場環境づくりを

――  会社の概要について教えてください。

田嶋

総合人材サービスを展開するシグマグループにおいて、シグマロジスティクスは物流事業を担い、お客様の物流戦略パートナーとして、飲料を中心とした製造から輸送・配送・倉庫管理までの総合物流サービスを提供しています。拠点は東京都を中心に16都府県に展開しています。また、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を重要な経営戦略の一つと位置づけ、社員一人ひとりが自分らしく、やりがいを持って活躍できる環境づくりを進めています。

――  LGBTフレンドリーについて取り組むきっかけとなったことは何ですか?

田嶋

2016年に現在の部署が発足し、2018年よりダイバーシティに向けた取り組みを本格的にスタートさせました。
当社では経営目標の中で「人財」という言葉を用いており、経営層全員が「人は財産であり、社員は会社の財産である」という考えを共有しています。

これまで、カミングアウトされて入社を希望された方や、そうでない方もあらゆる人が活躍できる社内風土を整えるため、サポートを進めることになりました。すべての社員が安心して能力を発揮できる環境を整え、誰もが働きやすい職場を実現することは、当社のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)施策の一環です。LGBTQ+については、目に見えにくいからこそ、多様性への理解を深め、差別や偏見のない職場環境の実現を目指しています。

インタビュー画像1
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世の中の情勢に合わせて、オリジナルのLGBTQ+ガイドブックを発行

――  LGBTフレンドリーについて具体的にどのような取り組みをしていますか?

田嶋

2019年に、管理者向けのLGBTQ+ガイドブックを発行したのが取り組みの始まりです。法律の変化に対応するため、2023年には改訂版を作成し、随時ブラッシュアップしながら、管理者に向けた知識習得を推進しています。また、ガイドブックに加えて、eラーニングや動画教材を作成し、基本的な知識から社会の動向まで学べる研修も実施しています。さらに、社内外に向けた情報発信として、HP上で「Ally(性的マイノリティの理解者・支援者)」とシグマを掛け合わせた「#SigmAlly」を発信し、誰もが働きやすい職場の実現を目指しています。

加えて、2022年10月よりパートナーシップ制度を導入しました。同性カップルに限定されますが、双方のいずれかが社員であれば、同居の証明や、地域によってはパートナーシップ宣誓書の提出により、就業規則、育児・介護制度などで「配偶者」と同等とみなし適用されます。
また、採用から入社後まで配属部署と連携しながら働く環境づくりをサポートしています。具体的には、選考時にカミングアウトがあった場合、入社前に更衣室などの利用環境を確認してもらっています。職場で使用するユニフォームは性別に関係ない仕様のため、主に施設の利用方法について、本人の意向を尊重しながら、現場の管理者と調整し、最適な対応策を実施しています。

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――  取り組みを実現するうえで、困難なことはありましたか?また、それをどのように克服しましたか?

田嶋

ガイドブックや研修動画、eラーニングなどを活用し、いつでもどこでも繰り返し学べる環境を整えています。これにより、管理者一人ひとりが、自分のペースで理解を深められる仕組みを構築しました。しかし、管理者それぞれの理解度を把握し、確実に定着させることは難しいという課題があります。特に、日々の業務の中で多様性に関する学びの機会が後回しになってしまうことも懸念されます。そのため、一過性の取り組みにならないよう、理解度テストの導入や、研修後のフィードバックを活用するなど、定量的に測定できる工夫を模索しています。同時に、定期的な情報発信や社内コミュニケーションを通じて、繰り返し伝え続けることが重要だと考えています。学びを継続し、社員が日々の業務の中で自然に実践できる環境を作ることで、誰もが働きやすい職場の実現を目指しています。

――  取り組みの結果、社員(または顧客)の反応はいかがでしたか?

田嶋

取引先企業から、「具体的にどのような活動をしているのか」 という質問を受けることがあり、LGBTQ+に関する取り組みへの関心の高まりを感じています。特に、自社の施策を参考にしたいといった声や、社内での取り組み方について相談を受けることも増えています。また、ダイバーシティ研修などを主催する団体が開催するLGBTQ+のセミナーなどにも参加しています。このような活動を通じて、企業間の情報共有が進み、LGBTQ+への理解が広がる手応えを感じています。

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物流業界のLGBTQ+の理解水準をあげる

――  LGBTフレンドリーについて今後の課題や展望があれば教えてください。

田嶋

シグマで働くすべての社員が正しい知識と理解を身につけ、多様な価値観を尊重できる環境をつくるために、理解促進の活動を継続していくことが重要だと考えています。特に、日々の業務の中で自然にダイバーシティ&インクルージョンの意識が根付くよう、研修や情報発信の強化、社内文化の醸成にも力を入れていく予定です。また、当社の経営目標である「人を大切にする」「人は財産」という理念と、シグマグループのロゴに込められた「人を軸としたつながり感」を大切にしながら、お互いの価値観を認め合い、一人ひとりが自分らしく活躍できる環境をこれからも目指していきます。
物流業界においても、LGBTQ+への理解が広がり、すべての人が安心して働ける職場環境が業界全体で整備されていくことを願っています。そのためにも、私たちが業界内外へ積極的に発信し続けることが大切だと考えています。

インタビューを終えて

LGBTQ+ガイドブックを拝見し、その分かりやすさや充実した内容に感銘を受けました。インタビューやガイドブックの内容から、社員が自分らしく働ける環境を創造したいという想いが伝わってきました。シグマロジスティクスの取り組みは、物流業界のイメージ改革に寄与し、社会全体に重要な貢献を果たすことが期待されます。

東京都では性的マイノリティの方々が働きやすい職場の環境づくり等の取組
を支援するため、事業者の方へ向けた支援を御用意しております

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